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 スウェーデンは、欧州の中でも交通安全のレベルが最も高い国の1つである。しかし、2005年スウェーデンで発生した衝突死亡事故のうち、飲酒運転が全体のおよそ35%を占めており、依然として深刻な事故を招く要因となっている。そこでサーブでは革新的な技術、サーブ「アルコキー」の実証テストを行う準備を進めている。アルコキーは、シンプルかつ再利用が可能で、ポケットやハンドバックにも収まる便利な装置である。
アルコキーは小型の携帯電話ほどのコンパクトなサイズで、ユニットには蓋のついた吹込み口が内蔵されており、ドライバーはエンジン始動前に息を吹き込む。すると、無線送信機によって自動車の電子制御装置に信号が送信され、エンジンの始動が可能となる。呼気中に法定許容範囲を超えるアルコールが検知されると、エンジンは始動しない。
スウェーデンでは、企業や公共サービス機関の間では、ドライバーの血中アルコール濃度が許容範囲を超えている場合に、確実に運転できないようにするための効果的な手段を求める声が高まっている。アルコキーは、そうしたニーズに応えるものである。アルコキーは、スウェーデン市場で販売されているサーブ9-5および9-3モデル向けのオプションとして提供される予定。
サーブでは、今後6か月間にわたり、約100台の自動車を対象にテストが実施され、サーブの経営陣やタクシー会社や一般ユーザーが参加する予定である。これが、2年間に及んだ開発計画の最終段階になる。これまでは、装置の小型化と、バッテリーの寿命を最長化することに開発の焦点が当てられてきた。現時点でのバッテリーの寿命は、1日5回使用した場合で約12か月となっている。
また、手軽に使用できるよう、アルコキーは既存の盗難防止技術を活用しており、自動車のイグニションキーとは独立している。エンジンを始動するには、ドライバーはまずアルコキーのスイッチを押し、装置が信号音を発するまで3秒ほど吹込み口に息を吹き込む。呼気が装置内の微細なセンサー部を通過するとすぐに、アルコキーの表面にあるライトが緑色か赤色に点灯する。緑色のライトは呼気中のアルコール濃度が許容範囲内であることを示し、アルコキーの無線信号によってイモビライザーが解除され、エンジンの始動と発進が可能となる。赤色のライトが点灯した場合は、アルコール濃度が許容範囲以上であることを示し、イモビライザーが作動した状態のままとなり、エンジン始動ができない。アルコキーに緑色の信号が表示されてから1分以内にエンジンを始動させないと、再度呼気テストをする必要が生じる。
アルコキーは、呼気の温度を検知することができる。例えばアルコールチェックを回避しようとして、風船や足踏みポンプ等から空気を吹き込んでも、通常の人間の呼気とを区別することが可能だ。
実証テストでは、アルコキーの利便性と使い勝手の良さを立証することに主眼を置いていく。アルコキーの信号が到達する範囲は最大で10メートル以内であり、ドライバーが乗車前に呼気を吹き込んだ場合でも、イモビライザーを解除するプロセスに3~4 秒かかるだけで、乗り込む動作が遅れることはない。アルコキーは、アフターマーケットで入手可能な配線を必要とする車載システムに替わる、信頼性が高く、より便利なシステムとして企画されており、現時点においては、スウェーデン市場のみを対象としている。
サーブのマネージング・ディレクター、ヤノオケ・ヤンソンは、利用者テスト計画発表の場で、「飲酒運転に起因する衝突や人身事故は、依然として大きな懸念事項であり、サーブではそうした行為の防止に役立てるため、サーブにできることをしたいと切望している」と語った。
さらにヤンソンは、「我々はこれまで、スウェーデンの業務用車両を保有する企業、特に公共サービスやタクシー事業を運営する組織の話に耳を傾けてきた。彼らは、ドライバーたちにアルコキーのような装置を利用する機会を与えることで、自らの社会的責任を明確に示し、多少なりとも社会に安心感をもたらしたいと望んでいる」とも語った。
サーブの「アルコキー」プロジェクトは、自動車運転の安全性向上の手段として、スウェーデン道路管理局(SNRA)の支援を受けてきた。同局のクラウス・ティングバル交通安全部長は、「私たち全員が、飲酒運転を止めさせる責任を負っている。サーブは、私たちと共にこの仕事に取り組んだ最初の自動車メーカーである。こうしたシステムが採用され、需要の拡大につながることを願っている」と語っている。 |  |  |  |
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