
魅力的な女性に出会った。
彼女と接することでいい刺激を受けて、私自身も成長するような素敵な人だ。
「素晴らしいお天気の日に夫とドライブするためにオープンエアは欠かせないけれど、2人の娘との時間も大切だから、私が選ぶクルマはいつも4座のカブリオレなの」

知り合って間もない頃、彼女はそう言っていた。夫の仕事の都合もあってモナコと東京に拠点を置く彼女は、海外で二人のお嬢さんを育てる良き母である。同時に夫と共にコート・ダジュールの海岸沿いをドライブする一時を少女のような気持ちで過ごすために、ずっと4シーター・カブリオレを乗り継いでいる。
素敵だなぁ、そのとき素直にそう思った。そして、サーブ9-3カブリオレのステアリングを握ったとき、彼女の言葉を思い出した。日常と非日常、このクルマにはその両方が存在する。
幌を上げておけば、快適な4シーター。しっかりと厚みのある幌は遮音に優れていて、高速を走っても苦にならない。仕事柄、撮影機材を積んで、編集者、カメラマン、そして私の大人3人でのロングドライブもこなすけれど、後席の住人から文句が出たことはほとんどない。ルーフを切り落としたからといって、走りの魅力もスポイルされていない。最高出力209ps/最大トルク30.9kgmを発揮するターボ付き2Lユニットは、アクセルワークに俊敏に反応するスポーティな性格。一方で、低回転域のターボラグが抑えられており、ボア×ストローク=86×86とスクエアなこともあって、タウンスピードでの扱いやすさも併せ持っている。

そして幌を下ろせば、一瞬にして日常からエスケープできる。仕事の帰り道、キレイな夕焼けを見たらすぐにオープンエアに切り替えることもできるし、家族や友達を満載してのドライブも楽しい。仕事に煮詰まった深夜、幌を下ろして東京の夜景を見ながら走るのも気持ちいい。コート・ダジュールでの休暇が取れなかったとしても、幌を下ろすことで私の中のスウィッチが切り替わる。
都会で暮らしていると、1台でたいていのことをこなすから普段の使い勝手は譲れないけれど、同時に都会暮らしで忘れそうになる大切なことをサーブ9-3カブリオレは思い出させてくれる。
この原稿が書き終わったら、久々にモナコの彼女に連絡してみようと思う。